事例紹介|退院後に歩行能力の低下がみられた70代利用者さま

数々の手術を乗り越え、足に障害を抱えながらも退院予定となった70代の利用者さまの事例です。

当リハビリ職員との初対面は、退院前に行われたカンファレンス(会議)でした。

その場で病院リハビリの様子を見学し、担当の理学療法士さんから申し送りをいただきました。

利用者さまはとても努力家で、動作の獲得も早かったため、

「退院したら、趣味のグランドゴルフもできていると思う」

と、太鼓判を押されて退院されました。

退院後の生活で起こった歩行能力の低下と痛み

しかし退院後の生活では、思うように歩行練習の時間を確保できないことも多く、さらに他の傷病との兼ね合いもあり、再度数か月の長期入院をされることがありました。

その後、立位や歩行練習の際に脚の痛みが伴うようになり、夜間痛の出現もみられました。

退院時には想像もされていなかった状況に、利用者さまは「歩けるようになるんやろか」「病院の人は今頃ゴルフしてると思ってやあるやろなぁ…」と、やり切れないお気持ちをこぼされることがありました。

訪問リハビリによるアセスメントと適切なアプローチ

筋力や動作の耐久性に大きな問題はなかったため、痛みに関するアセスメント(評価)を見直し、関わり方を再検討しました。

その結果、畳(床)生活など生活様式による股関節や腰への負担が、脚の痛みにつながっていることがわかりました。

また、歩行補助具の問題も出てきたため、専門の義肢装具士さんへ相談し、対応していきました。

痛みと歩行能力の改善、そして社会参加へ

生活様式の変更や、痛みの出現要因となっている部分への介入を継続するうちに、次第に痛みは改善していきました。

これまで歩行器や平行棒内での歩行だった状態から、ロフストランド杖(2本杖)での歩行ができるまでになられ、屋外にも出られるようになられました。

数々の手術歴やつらい傷病を抱えながらも、「歩ける自分」に向かって努力を続けてこられた利用者さま。

趣味のグランドゴルフまではまだ少しかかりそうですが、もう一つの趣味である写真に関しては展示会へ参加されるなど、社会参加にも前向きに取り組まれています。

この事例から伝えたいこと

退院前にできていた歩行能力が、退院後の生活の中で維持できなくなることは少なくありません。

しかし、訪問リハビリの介入により、適切なアセスメントとアプローチを行うことで、痛みや動作能力の回復が得られることがあります。

そして、その回復が「外へ出る」「趣味を続ける」といった社会参加や活動の向上につながることを、改めて感じた事例となりました。