この記事で分かること

・退院後にふらつきが出た方へ、訪問看護でどんな支援ができるか。

・フットケア(足部観察/足浴/爪ケア)が、転倒リスクや不安の軽減にどうつながるか。

・足部運動(足趾や足関節)を継続する際のポイント。

事例の概要

長期入院後に自宅退院された70歳代の利用者様の事例です。

入院中の活動量低下により下肢筋力が落ち、歩行時のふらつきがありました。

全身状態や体調は安定していましたが、下肢筋力低下による転倒リスクが高い状態でした。

また、踵部の皮膚トラブルや爪のトラブルを心配されており、安心して在宅生活を続けるために、訪問リハビリ(週1回)と訪問看護(週1回)を開始しました。

重要

転倒のリスクが高い時期は「歩けているように見える」場合でも、疲れやすさや足元の違和感が転倒につながることがあります。ご本人の不安が強い場合は、生活動線や履物、足部の状態も含めて早めに確認することが大切です。

支援の内容

週1回の訪問リハビリ(理学療法士)

理学療法士が週1回訪問し、身体状況の確認と在宅生活に必要な動作の維持・向上を目的に支援を行いました。

週1回の訪問看護(看護師)

看護師が週1回訪問し、フットケアと足部運動を中心に実施しました。

1)フットケアシートを用いた足部観察

足の皮膚の状態、爪の長さ・変形、汚れの有無などを確認しました。

足部の変化は小さく見えても、痛みや歩きづらさにつながり、結果として転倒リスクに影響することがあります。

2)足部ケア(清潔保持と血行促進)

足浴を行い、清潔保持と血行促進を図りました。

また、爪切り・爪そうじなどを、事前に作成したメニューに沿って状態に応じて適宜実施しました。

3)運動ケア(足裏・足先・足首を中心に)

足裏、足先、足首を中心にマッサージやほぐしを行い、足関節や足趾の運動も取り入れました。

具体的には、ビー玉つかみ、タオルギャザーなどを状況に合わせて実施しました。

重要

足部運動は「頑張りすぎ」が逆効果になることがあります。痛みや強い疲労感が出る場合は中止し、訪問時に負荷や方法を見直すことが安全です。

経過と結果

フットケアと足部運動を定期的に継続した結果、現時点では転倒はみられていません。

足部の皮膚トラブルや爪の異常もなく、状態は安定して経過しています。

特に、しもやけが毎年ひどかったとのことですが、今年は大丈夫だと言われています。

今回の事例から分かったこと

下肢筋力低下がある利用者様に対して、フットケアを通じた足部の観察と清潔保持、血行促進、足部運動を継続することで、足部トラブルの予防と転倒リスクの低減につながる可能性があることが分かりました。

訪問時に定期的なケアを行うことは、安全な在宅生活の維持に有効です。

まとめ

退院後は、体力が戻る途中で転倒のリスクが高くなることがあります。

「歩けてはいるけど不安がある」「足の皮膚や爪が気になる」「冬に足のトラブルが出やすい」など、はっきりした困りごとになる前の段階でもご相談いただけます。

訪問看護ステーションのご案内は、トップページでご覧いただけます。

訪問看護でできることは、サービス紹介ページにまとめています。

よくあるご質問

退院後、ふらつきがある場合はすぐに訪問看護に相談した方がいいですか。

早めの相談が安心につながります。転倒は一度起きると生活への影響が大きいため、足元の状態や生活動線の確認を含めて、早期に支援を組み立てることが有効です。

フットケアは具体的に何をしてくれますか。

足部の観察、清潔保持、爪ケア、状態に応じた助言などを行います。

皮膚や爪の小さな変化を見逃さず、歩きやすさや不安の軽減につなげます。

足の運動は自宅でも続けた方がいいですか。

無理のない範囲での継続が効果的です。

痛みや強い疲れが出る場合は中止し、訪問時に負荷や方法を調整することが安全です。